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よもやま保育談義01「遊びの方向性?」



藤田進(以下、進):『生活と遊びを通しての保育とは』(フレーベル館)、今読んでるけど、おもしろい。刺さるわ。


松本崇史(以下、松):やろ。あれ、むちゃくちゃいいよ。


:あのさ、遊びって分解して、見えるようにできないものかね?


:たぶん、分解の仕方だな。遊びの要素なのか。遊びの形なのか。


:要素と方向性みたいなことな気がするんだよね。


:だね。遊びの方向性っていいな。

:自由とか解放とか、集中とか、発見、成長、努力、知識の獲得とか、遊びの中にはいろんな要素があって、方向性の舵はこどもに握ってもらわなきゃいけない。


:それで?


:その土台には、環境、文化、生活、こども観 / 人間観みたいなのがあって、日課とかと結びついてくる。たぶん、地域性や風土も土台に含まれるな。そこにいる人間もか……。遊びが沸き起こる土台、舞台みたいなものたち。そして要素と方向性……。


:そうそう。日課は環境だからね。時間構成。遊びとは何かが、こう考えると見えてくるな。こどもはすごく「文化的なもの」を見てるよ。


:何か、少し見えてくる気がしない?解き明かすっていうか、遊びを解題するときの、要素の理解の広さ。そして土台の捉え方みたいなものを、自分がもう少し捉えたいのよね。


:それ、かなり難しい。


:遊びは変幻自在だが、方向性ってのはある。質みたいなのは、遊んでいる本人じゃなく、外から見てる人の基準で決めてるもので、その遊びの現象をどう捉えているかってことが表現 / 表出される。ああ、自分で言っててもボヤッとしてるわ。


:だから、人の発達の側面の分析のほうが先に立ってしまうんだと思うわ。


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保育の基本2
生活遊びを通しての保育とは
森上史朗 / 高杉自子 / 今井和子 / 後藤節美 / 田中泰行 / 渡辺英則
フレーベル館 / 絶版







 

松本崇史(まつもとたかし)
鳴門教育大学で保育・絵本を学ぶ。絵本屋を経験し、その後、任天会の日野の森こども園にて園長を行い、ほとんど事務所におらず現場にいながら、こどもたちと遊びを謳歌している。現在、おおとりの森こども園園長。雑誌『げんき』にて「保育ってステキ」を連載中 藤田進(ふじたすすむ)
好奇心や探究心をたっぷり使いながらこどもと日々を過ごせるように、そして、こどもとこの地球や社会をどのように分かち合うかを模索しながら、絵本やおもちゃの販売、庭しんぶんの発行、研修事業などを運営中。札幌第一こどものとも社代表。庭しんぶん編集長。3児の父。


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