藤田進(以下、進):視点って大事よね。こどもや遊びを見る時にさ。保育の視線。これって、どういうふうに養われるんだ? 具体的なこどもの姿を題材にそれぞれの保育の視線を共有し合うとか?
松本崇史(以下、松):それ、難しいんだよね。感覚とか方向性とかが似通ってないと崩れやすい。
進:決まったメンバーで定期的にやるだけでも意味ある? 日々の保育の中で仲間同士でできると一番いいけど。「ああ、この人はそういうふうに見てるんだな」とか「自分はこういうふうに捉えてるのか」とか。
松:うん、意味ある。その視点を出すだけで価値がある。
進:そうそう、「視点を出す」。
松:視点があると気づきを起こす。
進:こどもの姿を捉えて、感心したり感動ができる視点を持つ。これって超重要な技術だと思う。自分自身にも足りないって感じるし。
松:たぶん、名のない遊びがわかるか、なんだよ。これ、うちの0歳児。
進:お、0歳さん。葉っぱでお掃除してるの?
松:んー、違うと思う。葉っぱを純粋に楽しんでる。イメージがないからおもしろい時代。
進:あー、それそれ。「葉っぱを純粋に楽しんでる」って「ああ、そうかもな」って思う。これ、「視点」よね。正解かどうかはわかんないけどさ(笑)。
松:葉っぱをおもしろいと思って持ち帰った保育者が偉い。
進:ぱっと見てさ、最初誰かの模倣なのかと思った。あとは葉っぱの価値ね。そこは見えないけど、葉っぱを持ってるのがうれしいんだろうなぁって。そして、ふたりってとこ。
松:その模倣なんだけどさ、1歳児は模倣なのよ。んで、0歳児はその前のような気がするのよ。言葉がないんだけど。そうそう、ふたりなの!ふたりとわかるとこなんだよなー。
進:模倣のその前。うーん、確かに。
松:「何となく」ってことがあるよ。やってることの根拠がいらない。そういうことがないと人になれない。
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