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Q. 自分と違う考え方や行動をする人とどう付き合っていけばよいのでしょうか?


そんなに仲よくない子が急に抱きついきたりするのが嫌だ。泣いて紙を破ったり鉛筆を折ったりする人が苦手。自分とは違う考えや行動をする人とどう付き合っていけばよいのでしょうか。


A

お父さんとの会話から質問が生まれてきたと聞きました。イヤだと感じたこと、苦手と思ったことを話せることはとても大事です。いろいろなことを考える上で、話して言葉にすることは建物の土台のようなものです。君はしっかりした土台を持っています。これからも感じたこと考えたことを言葉にしてください。


次に、その言葉には「イヤ」とか「苦手」という気持ちが込められていて、このことが質問の重大なポイントです。これは君の気持ちなので大切にしましょう。その気持ちのきっかけは、急に抱きついてきた人、泣いて紙を破った人、鉛筆を折った人でした。言葉にする前に気持ちが動きました。気持ちは自分でコントロールするのが難しいです。自転車のハンドルは、右へ曲がりたければ右へ、左へ曲がりたければ左へ操作すれば行きたい方に向かいます。ところが気持ちは何かが起こった途端に動いてしまうのです。この動いてしまった気持ちに対して自分はどうするのかということですね。


すでに君は、お父さんとの会話で、気持ちを言葉にして話しました。話したことで気持ちはどうなりましたか? なんだか気持ちが楽になりませんでしたか? 話を聞いてくれた人が、君が感じたことに対して、意見を述べずに聞いてくれることが良いみたいです。たぶん話しているうちに自分に起きた出来事を少し遠くから見られるようになるからです。すると、相手のことも少し違った見方ができるようになります。どうしてやったのか? とか、目立ちたいのかな? とか考え始めます。そうしているうちに自分の気持ちが落ち着き整理されてきます。実は、「イヤ」「苦手」という気持ちは、心がバラバラになった落ち着かない状態です。この状態が長く続くのは辛いことです。君はお父さんが上手に話を聞いてくれるので、次第に落ち着いて考えられるようになります。そうすれば、それぞれの出来事に対して「イヤだ」とはっきり言うことも、少し離れていることも、関心を持って近づくことも自分で決めることができるでしょう。



 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。 ​
 
※この記事は庭しんぶん46号(2021年6月号)に掲載されたものです。

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