藤田進(以下、進):保育者が持ってきた葉っぱが引き起こした波紋なのよね。このふたりの姿(よもやま保育談議03)はさ。響き合い、心、共鳴……。それって湖の波紋みたいなものよね。湖に波紋が広がって、ぶつかって、影響を与え合う、そこに新しい波形ができる。
松本崇史(以下、松):波紋はいい表現だね。美しいもの。
進:部屋にあった葉っぱをバサバサしているうちに、おもしろいと感じる。隣にも同じ葉っぱを持っている赤ちゃんがいて同じようなことをしている。そのままふたりで部屋の外へ……。この現象を引き起こした「葉っぱ」という素材って、すごいよね。うーん、でも素材じゃないんだよなー、なんかいい言葉ないだろうか?
松:環境、財。
進:もう一声!
松:わかる。もう一声だ。
進:風とか音みたいな、やってきて過ぎ去っていくものよね。いつも吹いてくる風もあるし、年に1度の風もある。うーん、環境だと広い。素材だと狭い。
松:そう、その間。「文化財」でもない……のかな!?で、そこに人の営みがあるから生活になる。節句とかよくできてるよ。
進:世界からのちょっかい、みたいな。
松:ちょっかい(笑)。遊誘財は、なかなか適してるよ。
進:遊誘財、そうね。えーと、遊誘物じゃだめ?
松:物ではなく財なんだよな。営みだから。
進:欲張りだから財を抜いてみたの。遊誘財って、欲張りな言葉なんだわ。要素が詰まり過ぎてる(笑)。
松:波紋を起こす偶然と必然。
進:偶然と必然は、考えるといいね。葉っぱは偶然やってきた。ただ出来事としては必然的なものを感じる。
松:そう、うちの保育だからこの姿がある。うちの全体的な計画は、その偶然と必然を織り交ぜてるんだ。
Comentários