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こどものとも0.1.2. なぜ なくの?


こどものとも0.1.2. 2022年7月号

なぜ なくの?

杜今日子 作



動物の鳴き声と赤ちゃんの泣き声


登場する動物たちの鳴き声には意味があります。子ねこの「ミャア ミャア」は「お母さんどこ?」、子犬の「キャン キャン」は「ぼくと遊ぼう」、子ザルの「ウキッ ウキッ」は「お母さんおんぶして」、子ヤギの「メエ メエ」は「お母さんお乳ちょうだい」、子馬の「ヒヒーン」は「かけっこしよう」です。

動物のお母さんや仲間たちは、その声に対して的確に応えます。鳴き声は願いを伝えている言葉だからです。「お母さんどこ?」、お母さんねこは「はい、ここにいますよ」と近づき子ねこを舐めて応えます。鳴き方によって動物たちはいろいろな意味を伝えているのでしょう。


人間の赤ちゃんは言葉が使えるようになるまで、泣いていろいろなことを伝えています。「鳴き声」と「泣き声」はちょっと違うようですが、赤ちゃんの「泣き声」を意味ある言葉として受け止めてほしいです。大抵、「泣き声」の最初は「お母さん」と言っています。次に「おっぱいがほしいよ」「おむつがぬれているよ」と言っているでしょう。


読み方アイデア

動物の鳴き声も赤ちゃんの泣き声も会話文に翻訳して言ってみてください。翻訳が誤っていることもあるでしょうがだんだんと正解率が高くなるはずです。「泣き声」を発した時の状況と泣き方を結びつけて判断できるようになるからです。それが合っていると赤ちゃんも喜びます。これがコミュニケーションの始まりです。




 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。

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