よちよち歩きが始まる乳児。男の子は棒を振り回したり、たたいたりし始めます。女の子は袋に物を入れたり出したり。次第に男女の特徴が見られるようになってくるのはどうしてかな? と思います。家庭環境や大人からの影響なのか、脳のつくりがそうなのか。特に男の子が遊びの中で危険な行為をしないようにするには、どのように関わるとよいでしょうか? 今はバーチャルでの戦いごっこがあふれているので、園で過ごす時には穏やかな時間を過ごしてほしいと思っています。
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私の六男一女のこどもたちを見ても、興味や関心の男女の違いはありそうな気がします。しかし、男女差として受け止めると個性の違いを受け入れられず「この子は普通とは違う」などと誤った捉え方をしてしまいます。あくまでも個性の違いと受け止めたほうが一人ひとりを適切に捉えることができると思います。
さて、よちよち歩きが始まり、走れるようになるまでのこどもは、体を動かすことが抑えがたい欲求です。手にした物を振り回したり投げたりもします。体を動かしながら考えているのでしょう。手加減することを覚え、けがや争いにならずに遊ぶには、言葉で気持ちや状況を伝えられるようになるまで待たなくてはなりません。だからなおのこと、走る、跳ぶ、くぐる、渡る、よじ登るなどができるように安全に配慮した環境が必要です。
質問者は乳児期のこどもたちにもメディアの影響が深刻ではないかと危惧されていますが私も同感です。こどもの行為のほとんどがテレビなどの映像の影響を受けているのは心配です。食事をしたり、散歩をしたり、時々のお出かけなど、日々の暮らしがこどもの遊びの基になってほしいと願っています。それには、関わる大人の興味や関心が問われます。季節の草花へ関心が向けられ、お花で玄関やお部屋を飾り、昆虫や、小動物に興味を持って飼育したり、野菜を育てたり、料理や、お菓子づくりをし、それを話題にすれば、こどもはそれらに意識を向けるようになります。そして心通わせるすてきな絵本を繰り返し読んであげましょう。こうして心通うこどもとの時間をつくります。
それでも手に負えないほど落ち着きのない子、衝動的な子もいます。一時的な場合と長期間にわたっている場合があります。それには必ず理由があります。人との信頼感、安心感が乏しいために自分への注目を必要としている場合があります。こどもの声を聞くことはこどもの思いに注目すること。こどもは思いを伝えられた時に穏やかな時間、穏やかな心を味わっています。こどもの言葉にならない声を聞くことに意識を向けてみてください。
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