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Q. 人見知りで寂しがりやの娘。友達と小学校に行けず、毎日送っています。



4月から小学校に入学した娘がいます。小さい頃から人見知りで寂しがりやでした。「お母さんと離れるのが寂しい」と言って、お友達と学校に行けず、毎日送っています。学校に行ってしまうと普通に過ごしているようです。いつかお友達と楽しく行けるようになるでしょうか。


A

一読して、わが子への穏やかで優しい心遣いを感じました。新しい環境に慣れるのは、誰しも時間がかかり苦労するものです。何気ない顔をしていても強いストレスに悩まされている人もいます。お子さんは、わかりやすく表情や行動に表れるのですね。そう思って見ていただきたいです。


毎日学校に送るのもぜひ続けてください。散歩でもするようにその時間を楽しく過ごしましょう。お子さんは登校してから、周囲のこどもたちの様子をよく見て、担任の話をよく聞き、自分がどのように行動すればよいかを考え、気を張り詰めて過ごしていることでしょう。担任の目にはほかのお子さんと同じようにクラスになじんでいるように見えるのではないでしょうか。


こうして1週間、2週間と経つうちに、学校での過ごし方の仕組みがわかってきます。1日の見通し、1週間の見通しがつくようになるのですね。やっと少し気持ちの余裕が生まれます。この余裕がクラスメイトとの関係をつくる力になります。焦らずじっくり待ってください。お母さんができることは、学校から帰って来たら一緒におやつを食べて、張り詰めていた気持ちを緩めてあげること、そして散歩のような朝の登校をお子さんが断るまで続けることです。


それに加えて、お母さんが担任を信頼していることをお子さんに伝えてあげてください。学級通信や様々な機会に発信される担任の肯定的な言葉を、お母さんの口からお子さんに語ります。お母さんが信頼している人をお子さんが信頼できれば、学校生活での余裕はさらに広がり、クラスメイトの誰かと関係を結ぶ意欲が湧いてきます。クラスメイトは互いに自分からその「糸」を繰り出し結び合うその瞬間を待っています。お子さんから繰り出された「糸」は必ず誰かの「糸」と結び合わされます。遠からず、連れ立って楽しそうに登校するお子さんの後ろ姿を見るでしょう。少しばかり人見知りで寂しがりやのほうが、良い糸を繰り出し良い布を織りあげるのではないかと思います。



 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。 ​
 
※この記事は庭しんぶん48号(2021年8月号)に掲載されたものです。
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