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こどものとも0.1.2. とっくん


こどものとも0.1.2. 2024年2月号

とっくん

駒形克己 さく



とっくんは命の音


受精後3週間で心臓の鼓動開始、そして命が尽きるまで打ち続けます。「とっくん とっくん とっくん」と。赤ちゃんが最初に耳にする「とっくん」は、抱いてくれているお母さんのでしょうね。お母さんの命の音を聞いて育つのです。


作者の駒形さんの「こどものとも0.1.2.」のデビューは、穴あき絵本の『ごぶごぶ ごぼごぼ』でした。それは、お母さんのお腹の中にいた時に聞こえた羊水の音です。赤ちゃんは音と一緒に描かれているあぶくのような色玉を、目で追い、指で触り楽しみます。


『とっくん』も穴あき絵本です。表紙を開いた穴に2ページ先がのぞいて見えます。「とっくん」はここから聞こえてくるのしょうか? 音の連なりは優しく、そして力強いのです。



読み方アイデア

お子さんに読みながら、思わずお子さんの胸に耳を当てて鼓動を確かめたくなりますね。小さな音でもしっかり「とっくん とっくん とっくん」と聞こえてきます。改めて音の連なりに聞き入ってしまいます。あなたの腕の中にある命の音です。




 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。

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