
こどものとも0.1.2. 2024年2月号
とっくん
駒形克己 さく
とっくんは命の音
受精後3週間で心臓の鼓動開始、そして命が尽きるまで打ち続けます。「とっくん とっくん とっくん」と。赤ちゃんが最初に耳にする「とっくん」は、抱いてくれているお母さんのでしょうね。お母さんの命の音を聞いて育つのです。
作者の駒形さんの「こどものとも0.1.2.」のデビューは、穴あき絵本の『ごぶごぶ ごぼごぼ』でした。それは、お母さんのお腹の中にいた時に聞こえた羊水の音です。赤ちゃんは音と一緒に描かれているあぶくのような色玉を、目で追い、指で触り楽しみます。
『とっくん』も穴あき絵本です。表紙を開いた穴に2ページ先がのぞいて見えます。「とっくん」はここから聞こえてくるのしょうか? 音の連なりは優しく、そして力強いのです。
読み方アイデア
お子さんに読みながら、思わずお子さんの胸に耳を当てて鼓動を確かめたくなりますね。小さな音でもしっかり「とっくん とっくん とっくん」と聞こえてきます。改めて音の連なりに聞き入ってしまいます。あなたの腕の中にある命の音です。
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