こどものとも0.1.2. 2023年10月号
かくれているのは だあれ
こみねゆら さく
本当に絵がすばらしいと思える絵本
「こどものとも0.1.2.」シリーズは、赤ちゃんが初めて出会う絵本です。だからこそ、すばらしい絵と出会ってほしいと思います。それは赤ちゃんの感覚の土台をつくります。毎月の絵本がその期待に応えてくれるのでうれしいです。今月の『かくれているのは だあれ』もすばらしい。作者のこみねさんは、ご自身で人形の制作もされ、国内外各地でイラストと人形の個展をしています。絵の中のぬいぐるみたちを見て、自分では動かない独特の表情と雰囲気に引き込まれます。
主人公の小さな子がぬいぐるみたちを探して、お布団に入った最後のページも、目を閉じてはいますが、眠っていない表情です。しかし、裏表紙では熟睡している表情です。なんと、ぬいぐるみたちもそれまでの表情とは違って、穏やかに生きているように眠っています。
赤ちゃんに絵本を読んであげる私たち大人は、読む行為に集中するために、絵をよく見ていません。見ているようで見ていないのです。今回は絵にも集中して見てください。絵のすばらしさを味わってください。
読み方アイデア
何度も読んであげるうちに、「かくれているのは だあれ」の問いに、きっと、回らない舌で「くまさん」などと答えてくれるでしょう。ページが進むごとにそのやり取りを楽しんでください。そして裏表紙までいって、「あなたもねんね」という運びになれば、親としては大助かり!
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