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前回のあらすじ

えほんの党大阪支部の鈴木氏と「聞くことから始まらない絵本!?」というテーマで対談しています。絵本を楽しむ時に「聞くこと以外の入り口があるかも?」というのが前回までのあらすじ。さて、今回は?



藤田進(以下、進):聞くってこと以外に「見る」っていうのも絵本の入り口ですよね。


鈴木健司(以下、鈴):「見ない」ってことでも楽しめる絵本ってありますよね。『んぐまーま』(クレヨンハウス)とか『もこ もこもこ』(文研出版)とかは、音だけでもおもしろい。見ないのなら絵本いらないじゃん!と言われそうですが、全盲のこどもに読んだことがあります。だって、見えなくても楽しいですし。


:全盲のこどもに絵本を読もうって思うのがびっくり!それらって、直感的で身体性の高い絵本。見るとか聞くとかじゃない、音を体で感じる絵本ですよね。耳から音として入ってくるけど、言葉を理解する必要のない絵本。


:そうなんです。絵本って「感じる」ってことが大事じゃないかと。


:五感のどれを使うとかじゃなくて、体で感じるってことか。


:僕は絵本に合わせて身振りするんですけど、話している時はもっとしますね。絵本を介してこどもと対話する。絵本の世界を一緒に感じたい。だから、下向いてるこどもがいたら、目の前まで行って読んだりしますし。


:う〜ん、それぞれが感じるってことだけじゃなくて「共感」ってのをものすごく大切にしてるんだろうなぁ、鈴木さん。共感を生み出す空間を絵本でつくってる。だから、読むとか聞くとか、そういうことに捉われていない。


:対話的、というか応答的に読んでますね。実際は、ドタバタしてたりしますけど、まぁ、よく言うと、応答的かな……。普段、見られないような姿をこどもから引き出せたりするとむちゃくちゃうれしい。


:例えば?


:普段は聞くのが難しいこどもが楽しんでくれたり、なかなか言葉が出なかった子がすごいしゃべり出したり、2年間笑ったことがなかった女の子が笑ったり。絵本っていろんなことができますよ。


:すごい!


:たぶん、これは周りのこどもとの共鳴っていうのが鍵だと思う。


:共感じゃなくて共鳴!!!一対一じゃなくて集団だから、こども同士のイメージが共鳴し合って、より響く。


:そう、普段カラオケで歌わない人が、ライブ会場ではつい歌っちゃうみたいな。(つづく)



 

鈴木健司(すずきけんじ)
関西こどものとも社勤務。よみきかせボランティアサークル三丁目の鷹主宰。兵庫県伊丹市立図書館でよみきかせを学び、以来さまざまな現場で絵本のよみきかせを行う。2022年度に福音館書店よりこどものとも年少版で『さんぽにいったバナナ』を出版予定。

 
※この記事は庭しんぶん11号(2018年7月号)に掲載されたものです。

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