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第5回 タイトルが思いつかず2日が経ちました。諦めます

前回は「感覚のピラミッド」がどのようなものなのかというお話で終わりました。今回は少しだけイメージしやすい例とともに「発達のピラミッド」の基礎感覚部分がどうして大事になってくるのかを説明していきたいと思います。


イメージしやすい例だと4段目の「目と手の協調」の部分ですが、これは言い換えると「手先の器用さ」になります。「聡太くんはハサミを使うのがとても苦手」といった場合に、繰り返し何度もハサミの練習をしても、「なぜだかあんまり上手にならない」ということがありませんか?こんな時に一度ピラミッドを下まで辿ってみると、その人は「ふだんから苦手な音があったり、音に敏感に反応をする」ということに気が付き、「聴覚がほかの基礎感覚よりも発達している」ということがわかるかもしれません。その場合、周りのガヤガヤしている音が気になってしまい、2段目の姿勢維持も3段目の注意の持続も難しそうですよね?今の例は「聴覚」が優位(過敏)な人の例なので、静かな「環境」を作ることで解決するかもしれませんし、遊具や玩具でお友達とコミュニケーションを取りながら遊んでいるうちに、基礎感覚全体がバランスよく発達して「話しかけてくる人の声が一番大きく聞こえる(必要のない音に気を取られない)」能力を獲得して解決するかもしれません。


そうやって発達のピラミッドを知っておくことで、苦手の原因が「ハサミが苦手」や「話すことが苦手」といった直接的なことではなく、もっともっと基礎的な部分にあるかもしれないという視点が生まれるわけです。そしてこどもたちの苦手を少しでも減らしていく方法のひとつが、クライミングなどの「目で次のグリップを狙い、グッと握って自分の体を引っ張り上げる遊び」や、すべり台で「変化する速度や角度に合わせ姿勢を維持する遊び」に夢中になることです。こどもたちにとってこれほど楽しくて幸せな「学び」はありませんよね?


ここまでのお話は例なので極端な部分もありましたが「発達のピラミッド」の一番下の「基礎感覚」部分が、こどもたちが発達していく上で、ものすごく大切になってくるのです。そして絶対に忘れてはいけないのが、発達に必要とされている遊び(楽しいと感じること)は「こどもたちが主体的に活動している」ことが大前提だということです。このピラミッドや感覚統合という理論を僕たち大人が頭の片隅に入れておくと、「遊んでみたくなる」「やってみたくなる」声掛けや環境を作っていくヒントになるんじゃないかと思います。


次回からは、聴覚・前庭覚・固有覚・触覚・視覚が、それぞれどういった働きをしているのかを説明していこうと思うのでよろしくお願いします。では今回も視覚化していこうと思います。


毎回本当にわかりやすいのか?という疑問も湧いてきましたが、僕の頭の中はよく表現できているのでよしとしましょう。ではまた会いましょう!



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小野寺聡太(おのでらそうた)
バンド活動中心の生活を続けながら、ライブハウスに就職し企画制作、映像編集、プロデュースのようなことを10年続ける。現在、株式会社アネビーにて、環境に合わせた遊具の設計と提案を繰り返し、こどもたちの遊び創りを研究中。日本感覚統合学会会員(新人)。2児の父。
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