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Q. こどもが眠そうなのに、時間だからと無理にごはんを食べさせることに違和感を感じます。



A

情報量が限られていますが、保育の原則から考えてみましょう。保育は養護及び教育を一体的に行うことが特性です。そして養護についてのねらいと内容を踏まえて保育が展開されなければなりません。厚生労働省が定めた保育所保育指針には、「一人一人の子ども」という言葉が繰り返し記されています。その中で「一人一人の子どもの生活リズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする」と明記されています。これが原則です。その上で「眠そうでごはんを食べるのを嫌がっている」こどもをどのように受け止め対応すべきかを考えます。


まず、家庭でのこどもの様子と生活リズムを保護者に聞きます。降園してからのおやつ、夕食の時間、その内容と量。入浴、就寝の時間、起床時間、朝食の時間、その内容と量、登園の時間を把握します。そうすれば、その子が食事前に眠くなる理由がわかるはずです。


次にすべきことはふたつあります。第一は、その子のリズムに合わせて食事時間をずらすことです。ほかのこどもたちの生活リズムも把握すれば、自ずと食事の時間帯によるグループに分かれます。こどもの生活リズムや発達過程に応じた援助が可能です。「一人一人の」という原則はこのようにして実現されます。職員全員でこれを共有し保護者の協力を得ながらやってみましょう。


第二は、保育所保育指針の養護の内容に記されていますが「家庭と協力しながら、子どもの発達の過程に応じた適切な生活のリズムが作られていくようにする」ことです。家庭での就寝時間、起床時間、食事の時間、内容と量などを変えることは困難です。これは半年、一年と時間をかけ、こどもの様子を保護者に伝えながら取り組みます。優先すべきは、第一の「一人一人の」という原則を実現すること。眠いこどもの口に無理やり食べ物を入れることは死の危険を伴います。このことは園全体で共有すべきだと考えます。



 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。 ​
 
※この記事は庭しんぶん56号(2022年4月号)に掲載されたものです。

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