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回答を考えながら布団に入ったら、夢の中で突然真っ暗な中に入ってしまって、いくら目を開けても真っ暗なんです。目覚めてから覚えていたのはそれだけで、その前の出来事は消えているのです。お先真っ暗とはこのことで、この質問の回答には相応しくありません。
妻に話したらいろいろ思い出してくれて、高校生の息子が4、5歳の頃、目を覚まして「夢の中でお母さんがいなくなった」と大声で泣いたことがあったそうです。回答の糸口(闇に光)が見えてきました。幼い人たちは日々新しい出来事に出会っています。昼寝から目覚めたらお母さんがいなかった。扉が「バシン!」と大きな音をたてて閉じた。散歩中に犬に吠えられた。お風呂で無理やり髪を洗われた。知らない人にいきなり抱き上げられた、などなど。それら一つひとつが夢の元なのではないかしら。自分では制御不能です。誰かに話せたら少しは安心するかもしれません。けれど小さいお子さんには、抱っこして「大丈夫」と言ってやるしかないのです。
もちろん心地よい夢も見ていると思います。お母さんのほほえみと抱っこ、お気に入りのぼうしで散歩。眠りながらニヤニヤしている時はそんな夢を見ているのかもしれません。今では2児、3児の父になっている息子たちが幼い頃、「神さま、怖い夢を見ないように守ってください」と毎日お祈りしていました。きっとよく怖い夢を見ていたのですね。毎晩のように眠る前に読んでいたのは、マーガレット・ワイズ・ブラウンの『おやすみなさいのほん』(福音館書店)でした。最後のページには、天使に守られたこどもたちが描かれ「かみさま あなたのけものや うたうことりたちに しあわせをめぐみ ものいえぬ ちいさなものたちを おまもりください。」とあります。三十数年前、私はこの絵本を読むことで、こどもたちの祈りに心を合わせていたのだと思います。
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