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きっと友達のお父さんは、両方の言い分を聞いても妹のほうに我慢をさせることが無理だと思って、お兄ちゃんに我慢をしてもらったのだと思います。そういうことはよくあることで、お兄ちゃんには妹のいないところで特別なことをしているのだと思います。お兄ちゃんはそれなりに納得しているのかもしれません。こどもは大人に比べると、たくさんのことを我慢させられています。その友達に「我慢しているの、大変そうに思うよ」と君の感じていることを話してみたらどうでしょう。友達は、君が自分のことを考えてくれていると知って喜ぶと思います。
さて、僕は君にとても感心しています。それは、「変だな」と思ったことを言葉にしてくれたからです。君は友達が「大変そう」に思えて、じっとしていられない気持ちになって「はるよしさんにきいてみよう」に質問してくれたのですね。質問という形だけれど、友達のお父さんは不公平ではないかと感じたのではないですか? 君自身は大人の人に不公平なことをされたことはありませんか? 友達が自分よりも多く褒められたり、自分が友達よりも強く叱られたりしたことはありませんか? いやだと思っても、その気持ちを誰にどのように話したらいいかわからなくなります。
君はこの頃、人の話していることや、やっていることを見て、それが正しいことなのか間違っていることなのかを考えることがありませんか? 僕は君の質問を繰り返し読んでいるうちに、君は正しさや公平さを求める社会の仲間入りをしたのではないかと思いました。多分これから先もっと、不公平なことや明らかに正しくない出来事を目にするかもしれません。今まで見えていなかったものが見え始めたのです。
友達のお父さんは、兄妹の間で起きていることを、公平に解決していないように見えたでしょう。これを機会に、君の問いや意見を聞いて、僕の考えをきちんと述べたいと思いました。大人は気づかないでこどもに我慢をさせていることがあります。君が思ったことを言ってくれるおかげで、こどもが暮らしやすくなります。こどもも大人も暮らしやすくなるのが庭しんぶんの目的ですから。これからも君の感じた「変だな」を話してください。
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