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「お父さんじゃなくて、お母さんがいい」とはっきり意思を示すことは自分自身を主張していること。「ぼくはここにいる」と言葉でも行為でも示していることで、その成長を喜びましょう。それと同じくらいすばらしいのは、お父さんが息子さんの主張を聞き入れ受け止めていること。それはこどもの存在を認めることです。ところで息子さんは「お父さんじゃなくて……」と拒否しつつ、今しなければならないことは何かをわかっていますね。だから問題は関係性? お父さんではなくお母さんなのですね。それはなぜでしょう。
もしかすると、4歳の男の子はさまざまなことに興味や関心を寄せて、見ること、聞くこと、やることがいっぱいで、落ち着かない日を過ごして、少し緊張感や不安感が持続し、疲れたのかもしれません。そんな時は安心感を求めます。それが「お母さんがいい」になるのかもしれません。排泄や着替えや食事などの、しなければならないことやすぐにしてほしいことがあっても、「そうだよね。こんな時は君の言うとおりお母さんがいいよね」と、息子さんの気持ちを言葉にしてみてください。「わかる、わかる、お母さんがいいんだね」と繰り返して言葉にします。息子さんが「お父さんは、ぼくの気持ちをわかってる」と思ってくれればいいのです。少々時間はかかるかもしれませんがここが肝心です。「お父さんでもいいよ」となれば大成功! 困ったことはチャンスに変えましょう。「お父さんは話がわかる人、話ができる人」と息子さんに認めてもらえれば、それ以後の関係はより楽しくなることでしょう。
こどもは本当に真面目でいろいろなことを真剣に考えています。でも相手に気持ちが届くように話すのはとても難しいのです。そこを汲み取っていただければ、息子さんはあなたのことがもっと好きになります。ところで、お母さんにはかなわないと思っているお父さんはたくさんいるでしょう。私もその一人です。だって、こどもにとってお母さんは「安心」そのものですから。
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