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Q. 不安なことばかりで気が滅入ります。こんな中でもこどもと今を楽しむ方法はありませんか?



A

新型コロナウイルス感染防止のため緊急事態宣言が出されました。同じ情報に接しても受け取り方はさまざまで、不安を感じる度合いは皆違います。不安感の強い人はいても立ってもいられないくらい落ち着きを失い、日常のことも手につかなくなります。不安感の少ない人は、今何をしなければならないかをよく考えることができます。身近で信頼できる人から情報を得ることで、不安を少なくしましょう。必要な手立てを実行することも落ち着いた生活の役に立ちます。こどもは最も身近にいる大人の不安を映します。私たちがこどもの安心です。


さて、こんな中で安心はどのようにしたら築けるでしょう。まずは、いつもの生活を丁寧にすることです。食べること、眠ること、お風呂に入ること、歯を磨くこと、着替えることなどなど。一つひとつを今までよりも少しだけ意識して丁寧にするのです。日常のことに心を向けることで安心がやってきます。あなたが心がけることで家庭の雰囲気は変わります。


料理もひと手間かけましょう。こどもと一緒にできる料理を考えてください。おやつも手づくりしてみましょう。食べることは喜びにつながります。お弁当をつくって、庭先でもベランダでもいいからお出かけ気分で食べましょう。撮りためたデータをプリントアウトしてこどもと一緒にアルバムづくりもおすすめです。編み物や工作もいいですね。これらのできごとを、離れて暮らす家族や友達と共有しましょう。


こうした話題をこどもと話します。その時はどうぞ聞き役に回ってください。こどもは自分が思っていることを話すことで安心を得ています。こどもが話し始めたら、「へえー、そうなんだ」とか「それ、おもしろいね」などと、うなずきながら聞きます。どんな話題でもいいからたくさん話してくれたら大成功です。


横浜に住む三男から、家族が楽しんでいる様子がスマホで送られてきました。いつもは時間差で一緒に過ごす時間が少ないのですが、感染対策の外出制限が、思いがけない家族の時間をつくり出してくれたそうです。2人の孫の笑顔がはじけていました。



 

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。 ​
 
※この記事は庭しんぶん33号(2020年5月号)に掲載されたものです。

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