物語えほんの歴史④
えほんの党
調査⑥



絵本に魅せられている党員たちの対談やつぶやきがのぞける連載です。不定期で活動しています。その活動の一部をご覧ください。
#世界を愛でる読書
#絵本好きの集まり
#なぜこれが好き?
目次
庭的読書のすすめ①
庭的読書のすすめ②
庭的読書のすすめ③
えほん開拓史①
えほん開拓史②
えほん開拓史③
物語えほんの歴史①
物語えほんの歴史②
物語えほんの歴史③
物語えほんの歴史④
えほんの党
えほん開拓史①
今回は、えほんの党大阪支部鈴木氏との対談。いろんな絵本の楽しみ方を実践しながら、こどもと向き合う絵本のパイオニア。テーマは「聞くことから始まらない絵本?!」です。
こんにちは。庭的読書のパイオニアの鈴木さん。今回はどんな話をしましょうか?

鈴木健司
こんにちは。先日『カレーライス』(福音館書店)を読む時に、家からカレー粉を持っていって、「今から読む本は何かわかる?」ってこどもたちに聞いてみたんです。
ほほう。何でまた?
そこなんですけどね。そもそも絵本に馴染みのない人たちもいるわけです。絵本を体験すらしたことのない大人やこどもが……。僕の経験ですけど、そういう人は集団で絵本を読む時にはみ出しちゃうことがある。
絵本を読んでいても聞けない人がいるって意味ですか?

藤田進
あっ、それそれ!絵本って無意識に「聞く」という入り口をつくっちゃってるんです。それって結構ハードルが高いんですよ。わかりにくいかもしれませんが……。
確かに無意識に「聞く」っていうのを前提にしてました。
でしょ!だから、僕は庭的読書って気に入ってるんです。つまり、庭的ですから、五感のすべてが絵本の入り口になる。これまた、わかりにくいかもしれませんが……。
絵本を楽しみ / 世界を愛でる時に、「聞く」っていうのは一つの要素でしかないってことですかね。う〜ん、視界が一気に拓けてどこにいるか見失いそう。
カレー粉がなくたって、こどもたちは想像しながら匂っているかもしれません。でもね、「聞く」ってことを重視し過ぎている気がするんです。う〜ん、誤解されそう。つまり、「聞かせる」ってことを重視し過ぎているってことかな。
聞けない人は、絵本の入り口に入れないっていう無意識のハードルか……。

鈴木 健司(すずき けんじ)
関西こどものとも社勤務。よみきかせボランティアサークル三丁目の鷹主宰。兵庫県伊丹市立図書館でよみきかせを学び、以来さまざまな現場で絵本のよみきかせを行う。2022年1月号こどものとも年少版『さんぽにいったバナナ』を福音館書店より出版。

松本 崇史(まつもと たかし)
鳴門教育大学で保育と絵本を学ぶ。絵本屋を経験し、その後(福)任天会日野の森こども園にて園長を務め、ほとんど事務所におらず現場にいながら、こどもたちと遊びをおう歌している。現在おおとりの森こども園園長。雑誌『げ・ん・き』(エイデル研究所)にて「保育ってステキ」を連載中。

藤田 進(ふじた すすむ)
好奇心や探究心をたっぷり使いながらこどもと日々を過ごせるように、そして、こどもとこの地球や社会をどのように分かち合うかを模索しながら、絵本やおもちゃの販売、庭しんぶんの発行、研修事業などを運営中。札幌第一こどものとも社代表。庭しんぶん編集長。3児の父。