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調査3

感覚統合ってなぁに?

感覚統合という言葉を聞いたことがありますか?こどもを理解する助けになる考え方なのです。難しいことを軽やかにお伝えします。

  1.  感覚統合と出会ってすごく気持ちが盛り上がっています▶︎

  2. まことに遺憾ながら、今回も「感覚統合」の説明にはたどり着けなさそうです▶︎

  3. 安心してください。「感覚統合」の説明ですよ▶︎

  4. 僕の説明がいちいち長いのは、文章だけでなく対面でも同じだと気付きました。感覚の話を始めます▶︎

  5. タイトルが思いつかず2日が経ちました。諦めます▶︎

  6. もちろんそれぞれの「感覚」の話も長いです▶︎

  7. 聴覚だけで2回に分かれましたけど大丈夫そうですか?前回のあらすじが長すぎる説が浮上しています▶︎

育ちは凸凹

#できないに気が付く #こども理解の鍵

#育ちをつかむ助けに

育ちは凸凹 感覚統合ってなぁに?

第01回 「感覚統合」と出会ってすごく気持ちが盛り上がっています

 皆さん、初めまして!僕は株式会社アネビー(※1)で、園庭や室内の環境提案・設計をしている小野寺聡太と申します。夜な夜な、「こどもにとっていい環境ってなんだ?」「それってどうやったらつくれるんだろう?」と頭を悩まし、苦悩のあまり涙で枕をぬらしています。そんな僕も二児の父でして、息子たちに積み木やけん玉、独楽などを自慢げに見せびらかせていますが、彼らには半笑いで「すごいすごい」と軽く受け流される、そんな日々を楽しんでいます。

 突然ですが、皆さんは「感覚統合」という言葉を聞いたことがありますか?僕は、感覚統合という脳の機能を説明する理論と出会い、これが「こどもにとっていい環境とは何か?」を理解するために、とっても役に立つものなんじゃなかろうかと考えています。

 「感覚統合」について説明する前に、まずは「発達」とは何か?を考えてみることにします。人間の「発達」に必要な要素はたくさんあると言われています。文部科学省のウェブサイトで、乳幼児期におけるこどもの発達において、重視すべき課題を5つ挙げているのを見つけました(※2)。

1.

愛着の形成

2.

人に対する

基本的信頼感

の獲得

3.

基本的な

生活習慣の形成

4.

十分な

自己の発揮と

他者の受容による

自己肯定感

の獲得

5.

道徳性や社会性の

芽生えとなる

遊びなどを通じた

子ども同士の

体験活動の充実

 この文言には全く解説がないのですが、小難しいので僕なりに言い換えると、「たくさんの仲間と遊びまくって、ごはんをモリモリ食べよう!お腹がいっぱいになったらまた遊んで、仲間に褒めまくられて、仲間を褒めまくって気持ちよく眠ろう!」ってことだと解釈しました。もっとシンプルにすると、「とにかく遊ぼう!」ってことだと思うんです(全然違ったらすみません)。

 この5つの課題は、文部科学省が打ち出している発達に必要な要素の一例ですが、これ以外のいろいろな文献を読んでみても、こどもたちは遊びを通して、さまざまな能力を獲得し、育っていくということは間違いなさそうです。

 この「発達と遊びの密接な関係」については、次回!要素分解し具体的な行動と結びつけて、わかりやすく説明してみようと思います。「今回で説明しないんかーい!」という声はグッとしまってくださいね。毎回文字情報だけでなく、まとめは視覚化していこうと思います。今回の傑作はこちらをどうぞ。

※1 子ども達の発達段階に合わせた身のこなしが習得できる。そして今あるさまざまな課題を解決へ導くことができる。そんな遊び環境を考え、子育て文化を創造する会社です。https://www.aneby.co.jp/

※2 初等中等教育局児童生徒課.”子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題”.文部科学省.

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/053/gaiyou/attach/1286156.htm(参照)

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小野寺聡太(おのでらそうた)

バンド活動中心の生活を続けながら、ライブハウスに就職し企画制作、映像編集、プロデュースのようなことを10年続ける。現在、株式会社アネビーにて、環境に合わせた遊具の設計と提案を繰り返し、こどもたちの遊び創りを研究中。日本感覚統合学会会員(新人)。2児の父。

BOOK

参考書籍

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発達障害と行動小児医学、思春期医学、小児虐待、育児の知識、保育施設と小児科医、社会小児科学など広く深く書かれた小児科医の教科書。専門用語が多く理解が難しい部分も多々あるが、第4章「脳の発達と発達心理」では脳の発達のプロセスが細かく書かれている。第2章から第4章までは発達のことがメインだが、幼保・脳・感覚統合の本よりも医学的な説明が載っているので、難しいがおもしろい。

小児科学 改訂第10版

五十嵐隆 編集 / 文光堂

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神経・筋・感覚器など運動に関係していく体の構造や機能が書かれている。運動学なのであまり連載とは関係がないことが専門的に書かれているが、筋や骨の構造と発達がわかるので辞書的に使っている本。

基礎運動学 第6版 補訂

中村隆一、齋藤宏、長崎浩 著

医歯薬出版株式会社

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器官と全身との関係がわかりやすく説明されている本。耳のページでは、耳の詳しい構造と聴覚機能が順序立てて説明されていたりと、イメージしやすい構成になっている。

人体の構造と機能 第4版

内田さえ、佐伯由香、原田玲子 編集

医歯薬出版株式会社

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各感覚器から脳へ伝わるまでの流れがわかりやすく図で描かれている本。よくある図鑑と違い、とにかく色使いがよく、楽しみながら読める。運動をする際に、脳のどの部分から指令が出ているのかも書かれているので、過程がわかる。

イラスト授業シリーズ

ひと目でわかる脳のしくみとはたらき図鑑

黒木俊秀、神野尚三、小野良平 訳 / 創元社

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解剖学の教科書。辞書的に活用している本で、各臓器の構造と、9章の中枢神経系を見ることが多い。脳や臓器のつくりが図でわかりやすく描かれている。

解剖学講義 改訂3版

伊藤隆 原著 / 高野廣子 改訂 / 南山

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おそらく作業療法士の資格取得をする学生がメインで使う本なので、参考書に近い本。「3 治療的アプローチ 発達の各領域に対するアプローチ」では、感覚統合機能に対するアプローチが詳しく載っている。学生向け(恐らく)なので説明がわかりやすく理解しやすい。

作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト

発達障害作業療法学 改訂第2版

長崎重信 監修 / 神作一実 編集 / MEDICAL VIEW

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タイトル通り「子どもの困りごと」を専門家の目線で答えていくという本。第2部「家庭・保育園・幼稚園・学校生活での支援」も目を引くが、第4部「感覚統合と脳のしくみの話」がとてもわかりやすい。発達と脳は切っても切り離せないので、ぜひ読んでみてほしい。

子どもの理解と補助のために
感覚統合Q&A 改訂第2版

土田玲子 監修 / 石井孝弘、岡本武己 編集

協同医書出版社

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専門用語が多く少し難しいが、「Ⅷ発達障害の作業療法の基礎となる手段 ー遊び」では、「遊びとは何か」「遊びの楽しさの分析」など、遊びが発達へ与える影響を具体的に学べる本。遊びも「絵本」「運動」「構成遊び」など細かく分類されているのも最高です。

発達障害の作業療法

基礎編 第3版

岩崎清隆、鴨下賢一 著 / 三輪書店

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感覚統合の生みの親エアーズ博士による著書。特に第1章「感覚統合とは何か」と第2章「感覚統合はどのように発達するか」は、感覚統合と発達の絡みが専門的に説明されていておすすめ。感覚統合を学ぶために必要な1冊。

子どもの隠れたつまずきを理解する

感覚統合の発達と支援

A・ジーン・エアーズ 著 / 岩永竜一郎 監訳

古賀祥子 訳 / 金子書房

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