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こどものみかた

調査①

〜事例研究〜

こどもの心をのぞいてみたい! 不思議でおもしろいこどもの存在。でも、どうしたらいいんでしょうね。私たちは、出てきた言葉や会話、表情や気分、周りにある関係性などから探ります。もちろん、身体の発達や心理的発達の理解も大切なのですが、その前に、その時そこにある「こどもの心持ち」に目を向けられなければ、その子を理解することは難しい。それもまた技術を伴う専門性なのでしょう。そこで、こどもを見つめる仕事をしている方々に協力していただいて、〈こどものみかた〉を集めることにしました。

目次

事例01 1本の芝から生まれた「化石」

事例02 「うわぁ〜〜!!」

事例03 アサガオが抜かれた

事例04 ありがとう、また来るね

事例05 ありさんとありさんが〜♪

事例06 ぼくはショベルカー

HOW TO

事例の書き方ガイド

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① 0歳児クラス全員分の「こどものとも0.1.2.」を用意

② 毎月届く絵本にそれぞれのこどものマークをつける

③ 月曜日〜金曜日 毎日園で一対一で読む

④ 週末 家庭に持ち帰り読んでもらう

⑤ ③④をひと月の間繰り返す

⑥ 月末に絵本を家庭にプレゼントする

 月初めに届く絵本を、担任が毎日一対一でこどもをひざに抱っこして読みます。保育所保育指針にあるように、心を通わせることを第一の目的とします。左右どちらかのひざに抱っこして、「○○ちゃんの絵本を読むね」と、絵本に貼ってあるその子のマークを見せます。そして表紙を見せ、タイトル、作者名を読んで本文に入ります。

 こどものリズムに合わせて、決して急がずゆっくりと読みます。途中で、絵を触ったり、なでたり、顔を近づけたり、声を出したり、読み手の目を見たりします。どれも大切なサインです。見逃さないように応じます。笑顔には笑顔で、声を出した時には同じような声で、目をのぞき込んだ時にはしっかり目を合わせます。さまざまな形で自分の気持ちを伝えようとしています。特に目を見るのは、同意を求めていることが多いです。

 月曜日から金曜日まで毎日、園で一対一で読みます。金曜日から日曜日までは、お家で読んでもらうように持ち帰ってもらい、月曜日にはまた園に戻してもらいます。年度初めにその趣旨を伝えておきます。絵本を手渡す時や受け取る時に、絵本にまつわるお子さんの情報をひと言お話しできると、家庭で読むのに役に立ちます。また家庭での様子を聞けると保育士にとっての励みになります。ただし自然な形で、継続的な情報交換が望ましいです。1年後に、お母さんお父さんが「うちの子、絵本が大好きなの」と言える実感を持てたら、すばらしい子育て支援です。

事例研究メンバー

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ひぐち まさはる

樋口 正春

保育創造セミナー代表。(福)高洲福祉会まどか保育園、石神井町さくら保育園理事長。全国でセミナーを主催しつつドイツでの海外研修を30年以上続け、全国の保育現場で講演を続けている。著書は『保育と環境』『根っこを育てる乳児保育』(ちゃいるどネット大阪)、『絵本から広がる遊びの世界』(風鳴社)。
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すずき けんじ

鈴木 健司

関西こどものとも社勤務。よみきかせボランティアサークル三丁目の鷹主宰。兵庫県伊丹市立図書館でよみきかせを学び、以来さまざまな現場で絵本のよみきかせを行う。2022年度に福音館書店よりこどものとも年少版で『さんぽにいったバナナ』を出版予定。
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ますやま ゆかり

増山 由香里

藤女子短期大学卒業後、幼稚園に勤務。その後、ドイツにてシュタイナー幼稚園等で実習。帰国後、保育園勤務を経て北海道大学大学院修士課程修了。現在、札幌国際大学准教授。現場に近い立場で、研究や講演をしてくださいます。著書は『具材』(庭プレス)、共著『発達と育ちの心理学』(萌文書林)。
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ふじた はるよし

​藤田 春義

1954年秋田県生まれ。むかわ町にて保育の仕事を6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。北翔大学短期大学部非常勤講師。札幌国際大学非常勤講師。
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たつみ あさな

巽 朝菜

日本 / スウェーデン保育士。18歳で単身1年半海外に働きながら滞在。路上で暮らすこどもたちに出会い、こどもの専門職を志す。日本でこどもの発達と心理療法を習得。2017年、スウェーデンの自然保育プレスクールに就職。幼児教育機関や自然学校で講演し、自然環境教育とこどもの権利の保育実践を積極的に推進。
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いしくら ともなお

石倉 知直

1977年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、角川書店で週刊誌の編集に携わる。2004年に福音館書店に入社。制作課を経て、2005年に「ちいさなかがくのとも」編集部に異動。2011年から編集長を務める。2019年より月刊誌編集部部長。小学生の頃は昆虫少年だった。
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まつもと たかし

松本 崇史

鳴門教育大学で保育・絵本を学ぶ。絵本屋を経験し、その後、任天会の日野の森こども園にて園長を行い、ほとんど事務所におらず現場にいながら、こどもたちと遊びを謳歌している。現在、おおとりの森こども園園長。雑誌『げんき』にて「保育ってステキ」を連載中。
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うちだ さなえ

​内田 早苗

株式会社きいろいおうち代表取締役。まちよみ絵本講師。マタニティ期から絵本読みきかせ推進協会代表理事。自治体の家庭教育事業、ブックスタート事業、読書推進事業、幼稚園・保育園などで、家庭での絵本の読みきかせについて講演活動をしている。NHK首都圏ネットワーク、TBSマツコの知らない世界などメディア出演も多数。
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